【世界最大の湖・カスピ海】「湖」なのか「海」なのかわからない問題

【世界最大の湖・カスピ海】「湖」なのか「海」なのかわからない問題

みなさん、カスピ海ってご存知ですか。

「世界最大の湖・カスピ海」です。

でも、ちょっと持ってください。この表現なんだかおかしくありませんか。

カスピ海って湖なの?海なの?

今日はこの「カスピ海問題」についてのお話です。

カスピ海とは

まず、カスピ海を知らない方という方のために基本情報をお伝えします。

カスピ海と日本は同じ大きさ

カスピ海は世界最大の湖です。

面積は374,000㎢。これは日本の国土とほぼ同じ大きさ、そして日本最大の湖である琵琶湖の558倍の大きさです。

世界の壁は高すぎますね。

カスピ海は5カ国に囲まれている

ロシア・アゼルバイジャン・イラン・トルクメニスタン・カザフスタン。

カスピ海は5つの国に面しています

✔︎カスピ海は世界最大の湖

✔︎面積は日本の国土とほぼ同じ大きさ

✔︎5つの国に囲まれている

「カスピ海問題」の重要性

「海」と「湖」のどちらとみなすのか。

俺たち日本人には関係ねーよ。

いや、関係あるんです!

「カスピ海問題」は世界情勢を揺るがしかねない重要な問題である理由をこれからお話いたします。

沿岸5カ国による領海争奪戦

カスピ海が国際法上どちらにみなされるかで沿岸5カ国の領海が変わります

もしカスピ海が何の価値もないただの土地であれば、海だろうが湖だろうが正直どっちでもいいんです。

しかし、カスピ海は宝島。誰もが欲しがる資源が眠っているんです。

カスピ海は「第二のペルシャ湾」

皆さんはペルシャ湾をご存知ですか?

ペルシャ湾といえば世界一の石油産地。イラン、イラク、サウジアラビアといった国々があります。

そんなペルシャ湾から名前を取りカスピ海は「第二のペルシャ湾」と呼ばれています。

つまり、カスピ海は石油の宝庫

どれだけ領海が手に入るかによって、石油の量が変わります。そのため、自国に利権があるように「海だ」「湖だ」と主張しているのです。

カスピ海が海なのか湖なのかにより

沿岸5カ国の領海が変わる。

カスピ海は「石油の宝庫」のため、

各国は少しでも多くの領海が欲しい。

カスピ海を「海」とみなすと

カスピ海が「海」とみなされた場合、どの国にメリットがあるのでしょうか。

みなさん、突然ですが「排他的経済水域」って覚えていますか。

中学校の地理の授業で習ったはずです。

自国の沿岸から12海里は「領海」、200海里は「排他的経済水域」といい、海中資源や海底資源を自由に利用できるというものになります。

これは「国連海洋法条約」という国際法により定められています。

もし、カスピ海を湖ではなく海とみなすと、各国に領海と排他的経済水域が設けられます

これらは自国の沿岸からの距離で決まるので、沿岸の距離が長いほど手に入る面積も広いということになります。

つまり、沿岸線が長い国の方が得をする。逆に、海岸線の短いイランは不利となります。

カスピ海を「海」とみなした場合、

排他的経済水域が設けられる。

そのため、海岸線の短いイランは

デメリットが大きくなる。

カスピ海を「湖」とみなすと

もしカスピ海を「海」とみなすと、国際法に基づき排他的経済水域が設けられるという話をしました。

では、カスピ海を湖とみなした場合はどうでしょう。

ここが重要なのですが、湖をどう分割するかを定めた国際法ははありません。

「沿岸の長さにかかわらず平等に配分される」というのが慣習となっています。

つまり、海岸線の長さにかかわらずどこも領海が同じ

これは海岸線が短いイランにとっては有利ですよね。だから、イランは湖と強く主張するわけです。

カスピ海が「湖」だった場合、

領海は各国の沿岸の長さにかかわらず、

平等に配分される。

そのため、海岸線の短いイランにとって

メリットが大きい。

カスピ海サミットの開催

カスピ海は海なのか、湖なのか。

この問題を解消するため沿岸5カ国の間で何度も話し合いが行われています。

それが「カスピ海サミット」

2002年 第1回カスピ海サミット

2002年、初めてのカスピ海サミットが開催されました。

しかし、議論は平行線をたどります。

それはそうですよね。どこの国もすこしでも多くの石油が欲しいんです。譲れません。

その後も、何度かサミットが開催されましたが、根本的な解決には至ることはありませんでした…

しかし、つい最近カスピ海問題に大きな進展が!

カスピ海に領海が認められた

2018年8月13日に開催されたカスピ海サミットにおいて、各国の領海を定める方法が決まりました!

気になる内容はこちら。

領海は15海里であり、

この外縁が国境。

さらにその外側10海里を

漁業水域とする。

これはものすごい進展ですね。

しかし、みなさんはお気づきでしょうか。

「国連海洋法条約」によると

領海は12海里であり、

この外縁が国境。

沿岸から200海里までを

排他的経済水域とする。

そう、範囲が違うんですね。

つまり、何が言いたいかというと、カスピ海は国際法上の「海」となったわけではないということです。しかし、部分的に海の扱いとなったことは確実。

そういう意味ではカスピ海は「海」と見なされたということができそうです。

2018年、カスピ海に領海が認められた。

カスピ海が「海」とみなされた。

と言い換えることもできる。

しかし、これは沿岸5カ国間での決定。

正式に認められたわけではない。

グラポンのまとめ

「カスピ海問題」。

湖でも海でもどっちでもいいよ。

いいえ、全然よくありません。

沿岸5カ国が引き起こす石油争奪戦。

直近のカスピ海サミットでは、

非常に大きな進展がありました。

カスピ海に領海が認められのです…

領海15海里。さらに漁業水域10海里。

これは国際法上の領海とは異なるものの

カスピ海を部分的に「海」と解釈した。

そう考えて問題ないでしょう。

世界情勢に関わるカスピ海問題。

今後の展開から目が離せません。

その他カテゴリの最新記事